かぐや「……」

 

西門「ゆうき?」

 

つくし「いや、な、なんでもないです~あはははは」

 

思わず笑ってごまかすつくし

 

かぐや姫の顔は現実世界でのつくしの親友、優紀にそっくりだったのだ

 

つくしの心の声(まさかあのかぐや姫の顔が優紀だとは…)

 

だが、髪の毛が長く、平安時代の女性のように綺麗な着物を身に纏う優紀の姿は、確かに美しい姫に見える

 

つくしの心の声(優紀は昔の時代に生まれたら物凄いモテ人生だったのかも…)

 

つくしは目の前のかぐや姫の姿を見ながらそう思うのだった

 

西門「実は今日は姫にお伺いしたい事が…」

 

西門が話しかけた時、かぐや姫が良く通る声で話を遮った

 

かぐや「この者と二人で話をしたい…良いか?」

 

かぐや姫はつくしの方を示しながら西門に問う

 

西門「…やはり二人はお知り合いなのですか?」

 

怪訝な瞳で西門が聞き返すが、ふわっとした柔らかい笑顔でかぐや姫はそれを否定した

 

かぐや「いんや、はじめてお目見えいたします。ですが少々この者の事が気に入りましたゆえ、少しばかりおなご同士のお話をしたいなあて思うたのです」

 

西門「そうですか……では、御前失礼いたします。隣の部屋にいますので、いつでもお呼びください」

 

そうして西門がスッと綺麗な動作でその場をあとにした

 

つくし「…」

 

かぐや「…」

 

かぐや姫がつくしの方をにこっとした優しい微笑みで見つめてくるが、つくしは何かわからない威圧感を感じてしまう

 

着物の衣擦れの音とともに、かぐや姫がつくしの目の前へと近づいてくる

 

つくしの心の声(うわ…どうしよう)

 

あまりに近づいてくるので、つくしの心臓は何も悪いことしていないのにドキドキとうるさく音をたてていた

 

そして、かぐや姫の顔が至近距離まで近づいてきて、かぐや姫から香る香りまで感じた時、そっと小声でかぐや姫がつくしに耳打ちしてきた

 

かぐや姫「なぜこの”世界”にいるのです。あなたはこの世に生きる者ではありません。すぐに戻らなければ、あなたはこの”世”に取り込まれてしまいますよ」

 

つくし「え…」

 

思いがけないかぐや姫の言葉に、つくしは言葉を失いながらもかぐや姫の方を見つめ身体が固まってしまった

 

だが、固まるつくしをよそに、かぐや姫はまだニコッとした笑顔のまま、優しくつくしの手を包んできた

 

つくし「あの、も、もしかして”あなた”も?」

 

つくしはおそるおそる聞いてみる

 

もしかすると、かぐや姫もあちらの世界の者ではないのか、そんな考えがつくしの頭に浮かんだのだ

 

かぐや「そう、わたしもあちら…”月”に帰らねばならぬ者。でもわたしはもうこの世界に一部取り込まれてしまった…でもあなたはまだ大丈夫。早くあなたも月に帰らないと、一生ここから帰れなくなりますよ」

 

つくしは急に涙が身体の奥から溢れてくる感覚を味わった

 

ポジティブなつくしではあったが、この世界にきて、夢だとしても一向に目覚めないし、不安と恐怖が確かにあったのだ

 

それを見ないふりをしてやり過ごしてきたのが、ここで理解してくれる相手に出会った

 

つくしは思わず、かぐや姫に抱き着いてしまう

 

つくし「う、うわ~~~ん」

 

かぐや「きゃっ」

 

かぐや姫を抱きしめたまま、子供のように大きな声で泣きじゃくるつくし

 

その声を聞きつけ、西門が扉の前から話しかけてきた

 

西門「何かありましたか?」

 

かぐや「いえ、何も」

 

西門「そうですか…なにやら泣き声のようなものが聞こえたものですから…」

 

まるでさぐりをいれてくるような西門の言葉をかぐやはするりと交わしていく

 

かぐや「おなごはそういうこともあります。殿方はもう少しだけそこにいらして?」

 

そんなことを言われたら男がこの部屋に入るわけにもいかない

 

西門「わかりました」

 

そして、抱き着いて泣きじゃくるつくしの背中をまるで母親のようにぽんぽんと優しくかぐやはあやすのだった

 

そのまま、かぐやはぽつりぽつりとつくしにしか聞こえない小さな声で、この世とあちらの世について語り始めたのだった

 


 

 

今日も読んでくださってありがとうございます!!!!

 

メッセージと拍手もありがとうございます!!!

 

いつもとても嬉しいです( *´艸`)

 

月より男子は、総つくか?と思われる方が多いようですが、実は全員出演する物語になりますので、誰と誰のお話だというのはまだ秘密です(*’ω’*)

 

楽しんで読んでもらえたら嬉しいです、よろしくお願いいたします!

 

 

 

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