次の日の朝

 

つくしも西門も2人して悩んでいるようだった

 

朝餉の時に顔を合わせた時、二人ともお互いの気持ちが手に取るようにわかったのか、目が合った瞬間二人で苦笑いをした

 

西門「おはよう」

 

つくし「おはようございます」

 

苦笑いをしながら挨拶をすませる

 

あちらでもこちらでもない自分

 

西門はそのことが気になってしまい珍しく朝餉のお味噌汁も零してしまった

 

西門「っ…」

 

箸を置き、朝餉もそこそこに西門は部屋へと戻ってしまう

 

つくし「まあ、あんなこと言われたら気になるよね」

 

つくしは西門の姿を見送りつつ、お味噌汁をずずーーっと飲み干して朝餉を綺麗に残さず食べ終えた

 

そして女中からまた新たに着物を貰い、部屋へと着替えに戻る

 

つくし「着物が次から次へと出てくるから、ここの西門総二郎もお金持ちってのはわかるんだけど、あちらでもこちらでもないっていうのは、この世界の人物でも、向こうのキザな西門総二郎でもないってことなんだろうなあ」

 

着物に袖を通しつつ、つくしは独り言をつぶやいていたが、やはりというかなんというか、西門がそれを聞いていた

 

西門「……向こうの”きざ”な西門総二郎とはなんだ」

 

つくし「おっつ…」

 

襖がいきおいよく開き、西門の声が聞こえた瞬間、つくしは瞬時に何がおこったのか理解した

 

つくし「……聞こえちゃいました?」

 

西門「…」

 

困ったような笑い方のつくしに眉間のしわの深さが強まる西門

 

西門はドスンとその場に胡坐を掻いて座り込んだ

 

西門「お前は……もう何も隠さず”全て”を話せ」

 

もう話すまでその場を動くことはないだろうというのはつくしにもわかった

 

それほど西門は不穏な空気を発していたからだ

 

つくし「……まっいっか」

 

西門「…」

 

つくしの言葉に西門の眉がピクリと動く

 

だがつくしは覚悟を決めたのか、自分の世界の事、かぐや姫のお話のことも改めて話し、西門総二郎や他のF4のことや猫を追ってこの世界に来たことなど、今度こそすべて隠さずに話したのだった

 

話し終えた後、険しい顔をした西門がうんうんと唸って黙り込んでしまった

 

西門「…そんな世界があるとは…いやだが…」

 

つくし「……本当にもう何も隠してませんよ?」

 

つくしが首をかしげながらそう言った

 

そのつくしの方をやっと顔をあげて見て西門が返事をしようとした瞬間

 

西門「…?!なんだお前その恰好は?!」

 

そう言われてつくしが自分の姿を見直す

 

つくし「ああああああ着替え中だったあ!!!」

 

つくしは慌てて着物の前を手で隠す

 

だがその動作も遅すぎた

 

西門はばっちりとつくしのはだけていた胸元、下着姿を見てしまったのだ

 

話し始めるなら話し始めるでちゃんと着替えてから話せばいいものを

 

つくしはそういったところが無頓着な子だ

 

つくし「は、恥ずかしい」

 

顔から火が出そうになってるつくしをよそに、西門はつくしの方へ物凄い速さで近づいてきた

 

西門「…?!」

 

つくし「ちょちょ!!な、なにすんの?!」

 

突如何かに気づいたような西門が急に近づいてきたかと思うと、つくしの腕を掴んだかと思うと、西門はまたつくしの着物の胸元をカバっと無理矢理開けたのだった

 

つくし「この……なにすんのよ!!!」

 

バシッとつくしが西門を平手打ちにしてしまう

 

その声と音を聞いて、屋敷の奥から使用人がバタバタと部屋へと近づいてくる足音が聞こえてきた

 

そして平手打ちをされた西門は、頬をおさえながらも、何か冷静さを失ったような真剣な瞳のまま、言葉を失っている

 

そして、部屋へとたどり着いた使用人が叫び声をあげ

 

その使用人の声でほかの使用人も向かってきてる足音が聞こえてくる

 

先にたどり着いた使用人は、着物を脱がそうとする西門から逃げようと立ち上がって平手打ちしたつくしと頬を押さえて放心しているような西門の状況を見たことになる

 

その姿のせいで使用人は何かを誤解してしまったようだった

 

だが、西門もつくしも今はそんなことを気にしている余裕もない

 

西門「……」

 

つくし「…」

 

お互い無言のまま、時間だけが過ぎる

 

他の使用人たちもバタバタと集まってきてしまった

 

色んな人から叫び声が上がり、その中の男の使用人は、つくしのほうを取り押さえようとしはじめる

 

男の使用人「お前、何をしたんだ!」

 

つくし「何をって?!?!あたしのほうがされたほうだけど?!!」

 

男の使用人「黙れ!!」

 

つくし「ちょ!!」

 

頬を押さえたまま言葉を発しない西門に女の使用人たちが駆け寄る

 

この状況を見て、なぜかつくしが悪者になってしまった

 

それもそのはず、西門はこの家の主

 

その主を叩いたように思える状況

 

つくしは主の好意で置いてもらっていた謎の人物

 

つくしの方が怪しいものなのは仕方がないだろう

 

放心した西門が言葉を発しない為

 

つくしは使用人たちに引っ張られ、一番最初に連れてこられた離れの別宅にまた閉じ込められてしまうのだった

 

つくし「ちょ!!あたしの話も聞いてよ!!」

 

男の使用人「黙れ!!!」

 

つくし「えぇ~~…」

 

ドンドンと扉をたたくも、冷たい言葉で切り捨てられてしまった

 

つくしはまた、何もないこの部屋の壁際で、座り込むしかなかった

 

つくし「どう考えても西門さんのほうが悪いのに…」

 

ぶつくさとつぶやくつくしの声が何もない部屋にさみしく響く

 

こうして、放心状態の西門が復活する夕方まで、つくしは閉じ込められてしまうのだった

 

そして、この日、かぐや姫が帰る日の、大きい大きい満月が空に顔を見始めるのだった

 


 

読んでくださってありがとうございます!!

 

4月は何かと忙しく、更新が滞ってしまい申し訳ありませんでした

 

それなのにいつも拍手とメッセージありがとうございます!!!

 

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