西門の屋敷につき、台所へと向かう
つくしは着物だったために、袖をまくることができずに困惑していた
つくし「あ~料理作るときだけ着替えてもいい?」
困ったようにそう笑って西門に聞くつくし
西門は、笑いながらこう答えた
西門「襷というものを知らないのか?…やってやろう」
つくし「へ?」
西門は何か紐のようなものを戸棚のような場所から取り出し、つくしの身体をぐいっと自分の方へと寄せた
つくし「わっ!え?なになになに?!」
慌てるつくしを気にも留めずに、手慣れた手つきで西門はつくしに襷をかける
つくし「…」
西門「よし、これでいいだろう…ん?どうした急に静かになったな?」
そう言いながらつくしの顔をのぞきこむと、なんとつくしは赤面していた
西門「…!」
つくしのその顔を見て、西門の心がざわつく
つくし「あっありがとう!さ、さっすが西門さん!!!着物なのに動きやすい~~」
つくしは照れ隠しから急に元気に動き出し、腕をぶんぶんと振り回し始める
西門「あ、ああ」
そんなつくしに対し、西門もいつものように冷静に答えれない
つくし「じゃあ、あたし作りますね!!猫が好きそうな料理!!」
西門「…出来上がるまで部屋の方にいる」
つくし「は~~い」
そんなやり取りの後、西門は部屋の方へと足を向けた
だが西門は自分に違和感を感じる
西門「……なんなんだ、この胸の違和感は…」
西門の部屋に向かう足が止まった
西門「…なぜかあいつと話していると時々心臓が跳ねる」
西門の頭の中にパッと牧野つくしの満面の笑顔が浮かんだ
西門「…なんであんな奴の顔なんか浮かぶんだ!!」
まるで自分の頭の中の思考を消そうとするように、西門は手をパッパッと降るように動かした
西門「ダメだ…落ち着かん…」
そんなことをしている間も、西門の心臓はいつもよりドキドキと高鳴り鼓動は早くなっている
そんな時、もう台所の方から良い香りがしてきた
西門「……良い香りだ」
西門は、部屋へと向かわずに、そのまま踵を翻した
そして西門はなんとなく、つくしに声はかけずに台所の戸の方からつくしの姿をのぞいた
鼻歌を歌いながら料理をするつくしの姿が目に入る
その姿を見た時、言葉に言い表せないような幸福感が西門の心に芽生えた
西門「……あいつも、かぐや姫のように、いつかあっちに帰るのか…?」
ふと、そんなことを改めて気づいた西門の心臓は、さっきの幸福感とは違い、嫌な音をたてて心臓が軋んだ
西門「……あいつを……帰したくない」
西門は、湧き上がるその自分の本音に、気づいてしまうのだった
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