”俺から離れるな”

 

その西門の言葉の意味をまだ本当には理解していないつくし

 

ただ促されるように西門に引っ張られついていくだけだった

 

西門「どこらへんで倒れていたかわかるのか?」

 

つくし「ううん…」

 

西門がそこらへんの雑木林をガサガサと漁り始める

 

つくし「こんな何もない丘でみつかるわけが…」

 

西門「あ」

 

すると西門が何かを見つけたようである場所を指さした

 

つくし「え?!」

 

西門の指の先を追うように見てみるとそこにはつくしの親とそっくりのあの春と千恵が立っていた

 

千恵と春が無言である場所を指さしている

 

それはこの丘より少し行った先の場所だった

 

つくし「あ!ありがとう!!」

 

つくしが深々とお辞儀をする

 

西門「行くぞ」

 

西門はすぐにつくしを引っ張りながら春たちが指をさした場所へと向かうのだった

 

西門「丘なようだけどこっちは割と暗がりだな…」

 

つくし「あ!!ちょっとここ山菜がたくさんある!」

 

西門「さすが牧野の両親もどきだな」

 

つくし「あの二人がこんな暗がりで何をしていたのか容易に想像つく…」

 

つくしの脳裏にはあの二人が意気揚々と山菜取りをしている姿が浮かんだ

 

突然西門が大きな声をあげる

 

西門「あった!!!!」

 

つくし「え?!」

 

そこには枯れ葉に埋もれかかったつくしのバックがあった

 

つくし「あああああ!!!!!!!!」

 

つくしは嬉しそうにバックを枯れ葉の中から取り出し中身を確認している

 

つくし「ぜんぶ!!ぜんぶある!!!雨とかでカバンはぐっちょりだけど…さすが英徳とカバン…中身はしっかりと濡れていない」

 

つくしがバックに頬ずりをしていたその時、西門がまた大きな声をあげた

 

西門「おい、あっちにちいさな洞窟のような場所があるぞ」

 

つくし「え?こんな辺鄙な林の中に洞窟?」

 

つくしがそう言いながら西門の言った方角を見ると

 

人間がしゃがめば入れそうなほどの小さな洞窟が見つかった

 

つくし「いやいやいや…これは無理でしょう」

 

西門「ここに猫がいる気がする。おい牧野、猫用のご飯を出せ」

 

つくし「あっそっか!この出番か!!」

 

つくしはすぐに洞窟の前へと猫用ご飯を置き、二人は近くの木の陰に身を隠した

 

西門がつくしの後ろから覆いかぶさるようにして身を隠す

 

つくし「ちょ…近すぎなんですけど…」

 

西門「お前…そんなこと言ってる場合かよ」

 

西門の息が頭にかかるような距離に耐えられないつくしは頭から湯気がでそうなほどに恥ずかしがっている

 

西門「…」

 

そんなつくしの表情を見て西門は”何か”を考えているようだ

 

西門「おい牧野」

 

つくし「へ?」

 

西門は恥ずかしくて目をつむっているつくしの前に、自分がつけていたブレスレットを外して目の前に垂れ下げていた

 

つくし「え?なに?」

 

西門からそのブレスレットを受け取るつくし

 

西門「これつけとけ。なんとなくだけど、あっちの世界の物を身につけていた方がいいと思う」

 

つくしはそれに対しぶんぶんと首を横に振りながら拒否をした

 

つくし「いやいやいやいや!あっちの世界の物っていってもバックあるし!ほら!制服ももってきたし!!」

 

どうみても高級そうなそのブレスレットを身につけれるわけがないとつくしは頑なに拒否をする

 

西門「誰があげるっつったよ。それを身につけといて、無事にあっちに帰ったら俺に返してくれたらいいから」

 

つくし「あっそっそうだよね!!あはははは」

 

つくしが顔を真っ赤にしながらそのブレスレットを腕につける

 

にゃあ~~

 

西門「!」

 

つくし「!!!」

 

ふと気づくと、つくしが設置したご飯の前には既にあの猫が姿を現していた

 

つくし「あ!!猫!!!」

 

西門「この…馬鹿!」

 

つくしが大きな声をあげてしまい、猫がビクッとこちらの存在に気づいてしまった

 

猫「にゃ~~!!」

 

西門「まずい」

 

つくし「待って!!」

 

猫がその声に驚いて逃げてしまう、つくしはその後を慌てて追った

 

猫はあの小さな洞窟へと入っていってしまう

 

つくしの身体は小さいため、しゃがむようにしてすぐに猫を追いかけた

 

西門「牧野!待て!!」

 

西門が入るには無理なこの洞窟

 

西門は慌ててつくしを呼び戻そうとするが、自分の失敗で猫を逃がしたと思って慌てているつくしにはその声は届かなかった

 

つくし「まって!!待って~~~~!!!!」

 

猫「にゃーー!!」

 

猫に威嚇されながらもつくしは猫の後を追う

 

そして

 

つくし「え?!」

 

追っている途中、ずるっと身体が下がった

 

つくし「まさか…」

 

そう、そのまさかだった

 

この世界に来た時と同じように、つくしはまた洞窟の中にある落とし穴へと落ちてしまうのだった

 

 


 

読んでくださってありがとうございます(*´Д`)

 

梅雨でじめじめとしていますがみなさんも体調気を付けて下さいね♪

 

 

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