寝かせた後、つくしはうろうろとするばかりだった

 

つくし「濡らしたタオルもないし、この場を離れるわけにもいかないし…外に出て助けを呼ぶこともできないし…」

 

この世界では本当に何もできないつくしだ

 

つくし「でもルイも変な事いってたな、これ以上知ったらいけないようなって…きっと本当に知ったらダメなんだと思う」

 

つくしは西門の姿と意識を失う前のルイの言葉を思い出した

 

つくし「それにしても…」

 

つくしはうなされているルイの顔をちらっと見る

 

つくし「ルイはルイでも…」

 

つくしはルイをみながら現実の類を思い出した

 

つくし「顔は似てるけどやっぱり違う人なんだ」

 

つくしは改めてこの世界は別物なんだと実感した

 

つくし「あれ?でもまって、これルイを助けたことになるよね?目を覚ましたんだから…じゃああとは女将さんを探してルイを渡してあたしはまた猫探しすればいいんじゃないだろうか」

 

つくしは名案が浮かび目に輝きを取り戻した

 

つくし「よし!そうと決まれば女将さんを探しに行こう!」

 

すくっと立ち上がった時、つくしの腕をルイが掴んだ

 

つくし「あ…大丈夫?」

 

ルイ「ううん……」

 

まだルイは意識朦朧としていて返事がはっきりとかえせないでいた

 

ルイ「あ…」

 

その時、ルイがつくしの手首についているブレスレットに触れた

 

ルイ「これっ!」

 

つくし「あ!そんなにいきおいよく起きたら!!」

 

ルイ「っ…」

 

つくし「ほら、言わんこっちゃない…」

 

ガバっと起き上がったため、ルイはまた眩暈を感じている

 

けれど先ほどよりはっきりとした視線でつくしの手首をまじまじと見始めた

 

つくし「ど、どうかした?」

 

ルイ「…これ、夢の世界にあった…いつも一緒の友達がつけてたブレスレット」

 

それは西門のことだろう、つくしはそれに気づき誤魔化そうとした

 

つくし「き、気のせいじゃない?」

 

あきらかに態度は不自然で隠そうとしているのがバレバレだった

 

ルイ「……」

 

つくし「どうしたの?」

 

ルイが黙り込んで何かを考え始める

 

つくしはそんなルイを心配そうにのぞきこんだ

 

ルイ「……実はさっきキスしたとき、まだ自分は寝ぼけてるんだと思ってた、でもあんたがいるこれは現実なんだな」

 

つくし「……」

 

さっきのキスを思い出し気恥ずかしい気持ちのつくしだったが、ルイになんて返事していいかわからず無言をつらぬく

 

ルイ「…あんた、ここにいるべき人じゃないだろ」

 

突然ルイの声色がかわり真剣な声になった

 

つくし「……」

 

その問いにどうこたえていいかわからないつくし

 

ルイ「……まだ考えはまとまってないけどこれだけはわかる、あんたは早く向こうに帰った方がいい」

 

つくし「っ…」

 

つくしはここで事情を話そうかどうか迷った

 

けれど類の名前を聞いただけで意識を失うルイに真実を伝えていいものかどうか、つくしは言葉が出てこない

 

ルイ「……でも帰る前にいい?」

 

つくし「え?」

 

ルイの声がふわっと優しく変わった、それに驚いてつくしはうつむいていた顔をあげる

 

ルイ「”俺”ずっとずっとあんたのこと好きだった、夢の中の”俺”もそうで、俺はあんたに助けられてた、ありがとう」

 

そう言うとルイはつくしの頬をふわっと片手で包みこむ

 

つくし「あ、あたし何もしてない」

 

ルイ「いいんだよ、あんたはあんたのままで…なんでここにいるのかわかんないけど…早く帰りな、こっちのことはもういいから」

 

つくし「……」

 

そう言われても、つくしは身動きがとれないでいた

 

つくしが動いたとき、ブレスレットが何かに触れてタイミングよく鳴る

 

ルイ「これ、きっとアイツのだろ?……うん、なんとなくだけど…俺のもつけて」

 

つくし「へ?」

 

ルイはそういうやいなや、ピアスを外し、つくしへと手渡した

 

ルイ「服にでもいいからつけておいて、これ、夢の中の俺と唯一同じものなんだ」

 

つくし「…」

 

確かにそのピアスは現実世界で花沢類がつけていたものでもあった

 

つくし「どうしてこんなこと…」

 

ルイ「なんとなくだけど、そうした方がいい気がして」

 

ルイの言葉に嘘はないのだろう

 

事情は知らなくても、ルイはカンの良い人だった

 

つくし「あ、ありがとう…」

 

なんとなくだけど貰っておいた方がいい、つくしもそんな気がしたのだ

 

そしてそんなやり取りをしていると、外の風の音が強くなってくる

 

ルイ「!!…もう行きな」

 

つくし「え?でも!」

 

ルイ「俺も自分で帰れる、あんたも早く帰りな、もう二度とここに来たらダメだと」

 

つくし「ちょ!ルイ!!」

 

つくしの声を聞きもせず、ルイはつくしを部屋から追い出した

 

つくしは部屋を追い出さされ、何度も扉をたたいたが、二度とその部屋にはいれてもらえなかった

 

つくし「……」

 

すると、タイミングよくまた猫の鳴き声が階下から聞こえてくる

 

つくし「まさか…だよね?」

 

つくしが吹き抜け上になってる塔なため、上から確認すると、そのまさかであの猫が塔の内部でくつろいでいたのだ

 

つくし「!!」

 

つくしは今度は慌てずに、ゆっくりゆっくり音を立てずに近寄る事に決める

 

ルイのことは気になりつつも、このチャンスをつくしはもう逃すわけにはいかなかったのだった

 


 

読んでくださってありがとうございます!

 

 

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