慌てず騒がず確実に猫をとらえようとつくしは近づいていく
つくし「いまだ!!!」
つくしはそう意気込むと同時に猫のことをつかまえることに成功した
猫は意外と大人しくつくしに抱かれたままでいる
つくし「……って捕まえたからって帰れるってわけじゃないのか」
猫を捕まえたがいいが、周りの景色はまったくかわらなかった
ふとここでつくしはお腹に結んで隠してあったバックを取り出す
つくし「紐で結んで隠しといてよかった…えっとこれに使ってた紐で…首輪みたくして…ちょっとごめんね」
つくしは猫に話しかけながら猫に紐を結び付けた
つくし「よし、これで逃げれないよね…ちょっと窮屈だろうけどごめんね」
そう言ってつくしは猫の頭を撫でた
にゃ~~んと可愛い声で鳴く猫につくしの顔は緩んでしまう
つくし「あれ?でもそういえば、あたし猫にお年玉盗まれたのに、あれはバックの中に戻ってたよね…?」
ふと、つくしは穴に落ちる前のことを思い出した
つくし「そうそう、あんた目も怪我してたよね?治った?」
つくしは猫の顔をのぞきこむと、猫の傷はきれいにふさがっていた
猫「にゃお~ん」
猫がぺろぺろとつくしの手を舐めている
つくし「………どっからどうみても普通の猫なんだよね、なんで猫がどうにかしてくれるなんて思ったんだろ」
つくしはそう言って階段に寝そべってしまう
つくし「はあ……振り出しに戻る…か」
つくし「あっ。。。そうだ、さっきルイにもらったピアス、しっかり胸元につけておこっと」
つくしはさっき猫を見つけた時に慌ててドレスの胸元にピアスをつけたのを思い出し、もっとしっかり落ちないようにつけなおす
胸元をみながら真剣に作業をしていると、隣でごそごそという音が聞こえてきた
つくし「ん?」
猫「にゃ」
隣をみると、せっかくバックの中にちゃんと入っていたお年玉をまた猫が取り出している
しばらく見つめあう二人
つくし「……」
猫「……」
つくしがプチっと切れてしまった
つくし「だからどうしてそればっかり!!!」
つくしが猫をつかもうとすると、猫はすばやくジャンプで逃げ出す
つくし「残念!!!紐ついてるよ!!!」
つくしが紐を引っ張ると、その先に猫はついていなかった
つくし「なんで?!!!!」
つくしは紐の先に猫がもうむすばさっていないことに驚きつつも、慌てて猫を追いかけた
つくし「なんでなんで?!!」
猫においつこうと、つくしは扉をあけ、塔を出た
塔の上から、何か声が聞こえるが、その声はつくしには届かなかった
そしてつくしは、猫を追って追って…また、長く暗い場所へと導かれ、そのまま”この”世界からはじき出されてしまった
塔の上から聞こえていた声は、ルイの声だった
ルイ「あんたが何者かわからないけど俺はずっとあんたが大好きだよ」
その言葉はつくしに届くことはなかったが…前の世界は西門に、この世界ではルイにつくしは助けられたのだった
読んでくださってありがとうございます!!
平日なため短めですが楽しんでもらえたら嬉しいです(*´ω`)