野獣「…さきほどいってたみまさかという奴について教えてほしい」

 

野獣は見かけによらず丁寧な口調でつくしに質問をした

 

けれど牢獄の中で何日間も不自由な生活をしていたつくしは野獣の質問に素直に答えることなどしたくなかった

 

つくし「……教えたら二度と牢獄に入れないって誓ってください」

 

野獣「…」

 

つくしは教える代わりの条件を言う、当たり前のことだった

 

野獣「いいだろう、そのかわりしっかりと教えろ」

 

つくし「……ふ~~…」

 

ダメもとでの条件だったが案外野獣は素直に条件をのんだ

 

つくしは美作についてどこまで話そうかと考え大きなため息をつきたが、やはりどこか楽観的な考えのつくしは、もういっそ全部話そう、そう思ってしまった

 

つくし「ん~~どう説明すればいいのか、難しいんだよね」

 

野獣「どういうことだ?」

 

つくし「まず、説明しなきゃいけないことがある」

 

野獣「…いいだろう、詳しく話せ」

 

つくしは野獣に細かく説明をした

 

それは今まで出会った人と同じように、丁寧に詳しく話すのだった

 

つくしが話し終えると、野獣は毛むくじゃらでもわかるくらい眉間にシワを寄せて考え込んでいた

 

つくし「それで、あなたは美作あきらって人に似てるんです、そしてあたしはこの世界を知ってる、向こうの世界で本になってたお話のようなことばかりおこるんです」

 

つくしの言葉に今度は野獣がふかいため息をついた

 

野獣「はあ……お前の姿形になにかしら違和感を感じていたのはそういうことだったのか…まあいい、話しておきたいことがある」

 

つくし「???なに?」

 

野獣の声は今までのように怖さを感じるような怒鳴り声ではなくなっていた

 

それどころか現実世界の美作さんのように優しく甘い落ち着いた声にかわっていた

 

野獣「お前が会ってきた者たちのように、あちらの世界のみまさかを知っている気がする、そしてソイツはいつもおれが思っていることと別な動きをする、あいつは俺なのに、俺じゃないんだ」

 

つくし「……ちょっと…意味がわからないかな」

 

つくしは困ったように笑ったが野獣のようなことを確かにルイも西門も言っていたような気がした

 

野獣「……とりあえずおまえはしばらくここにいろ、行く場所がないのだろう、手荒なことして悪かった、何か手がかりが見つかるまで休んでいけ」

 

野獣は話も終わる前にそう言い終えてすぐにつくしの前から去っていった

 

つくしは、意外にも話が通じる野獣に終始驚きっぱなしだ

 

つくし「う~~ん、やはり美作さんっぽいというか、優しい人だよね」

 

つくしは野獣の姿に美作を重ねて思い出し、そんなことを思うのだった

 

そしてつくしは野獣に言われた通り、この場所で過ごすことに決めた

 

野獣とはこの日以来、他の世界の話をすることはなかったが、だんだんと心を通わせるようになってきた

 

そして野獣は決まって夜にあらわれる

 

いつのまにか屋敷にいて、いつのまにかいなくなっていた

 

つくしはなかなか元の世界に戻る手がかりもつかめずにいたため、逆に野獣の事が気になるようになっていた

 

いつどこからきてどこにいってるのか、それを知りたいと思うようになってきたのだった

 

つくしは、あの猫を探しつつ、見かけと違いとても優しい野獣のことをもっと知ろう、そう思うのだった

 


 

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