司「なんだってんだよいったい」

 

腕の中で意識を失うあきらを見ながら司の額に汗が流れた

 

何度も何度も呼び掛けても答えることはなく、司が人を呼ぼうとした時、あきらが目を覚ます

 

あきら「あれ…?」

 

司「お、目が覚めたか…気分はどうだ?」

 

あきら「司?どうしたの?」

 

キョトンとした顔のあきらに司はもうあきらが野獣ではないことに気づいた

 

司「……お前にちょっと話しておきたいことがある」

 

あきら「??」

 

真剣な面持ちの司に戸惑いつつも、あきらは司の話を聞くことにした

 

司は野獣に聞いた話の全てを包み隠さずあきらに話す

 

唸りつつ聞いていたあきらだったが自分の知らない野獣というあきらの存在を知らされたために、なかなか受け入れられない話だった

 

終始、信じられないといった風なあきらだったが、ふとあきらが幼少期の頃の自分の好きだった絵本を思い出す

 

あきら「そういえば、俺は小さなころ、美女と野獣が好きだったかも、ほら、俺の母親は少女趣味だったから、絵本も女の子向けばっかりだったんだ」

 

司「…そういやあの頃のあきらは女に間違われることもあったよな」

 

あきら「類のほうが間違われてたけどね」

 

司「類といえば…よく寝るから幼稚園の先生に眠り姫みたいだとか言われてたよな」

 

あきら「そうそう、言われてた!あと総二郎もそういやあいつ、俺んちは日本昔話ばっか読まされるって言ってたよな」

 

司「ああ、かぐや姫とか桃太郎とかな」

 

あきら「…なんか関係あるかな…」

 

司「う~ん…とりあえず、類呼ぼうぜ」

 

あきら「それもそうだな」

 

こんな状況ならばと司は類に電話する

 

何度目かの長い着信のあとに、寝ていた類が電話口に出た

 

司「お前なんで寝てるんだよ、大事な話あるから来いよ」

 

類「ああ、ごめん…俺も話があるから行くよ」

 

司「おう」

 

 

1時間もたたずに類が司達の元へときた

 

司「お、早いな」

 

類「あのさ、これ、見てくれない?」

 

類から渡されたものをみて、あきらと司が顔を見合わせた

 

司「お前これ…」

 

あきら「眠り姫の絵本…」

 

類「うん、この話あまり知らなかったからこの前買ったんだ、そして話したいことなんだけど、ちょっと聞いてくれるかな」

 

司「…わかった、類の話を先に聞く」

 

司とあきらと類が席につく

 

類は改めて絵本をテーブルの上に置いた

 

類「信じてもらえるかわかんないんだけど…実は俺、夢の中で牧野に会ったんだ」

 

司「……」

 

あきら「…まじかよ」

 

類「??なんで二人ともそんな顔してるの?」

 

類は不思議そうに司とあきらの顔を覗き込んだ

 

類としてはこの話をしたときに、疑心暗鬼の顔になるか、笑われるかのどちらかを想像してたのに、二人は絶句といった感じで青ざめた表情だったからだ

 

類「…司、なんかあった?」

 

司「……ちょっと俺の話も聞いてくれるか」

 

類「うん」

 

そして司も野獣のあきらから聞いた話を全て話した

 

もちろんルイと西門の話も…

 

類「……偶然とは思えないな」

 

司「…」

 

類「実はさっき言った牧野に会ったっていう俺の夢、眠り姫のような感じだったんだ」

 

司「!!!!」

 

司とあきらが驚きのまま立ち上がった

 

色んな状況がひとつに繋がっていく

 

司達の話す外はすでに満月が空にでかでかと光っていた


 

読んでくださってありがとうございます!

 

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