つくしと総二郎は屋敷へと帰ってきた
つくしはすっかり総二郎に対しての警戒を解いてしまっている
少し優しくされると信じ切ってしまうのはつくしの欠点でもあるかもしれない
つくし「いやぁ…夕ご飯まで……ありがとうございます!」
先ほどつくしが閉じ込められた部屋につくしはまたいることになった
そして夕餉がちょうど運ばれてきた、ものすごく美味しそうなご飯に、つくしの顔は思わずにこにこの笑顔になっている
見張りの者「緊張感というものがないのか…」
つくし「いやぁ…」
今度は玄関の前ではなく、見張りの者は部屋の中の扉の前で見張りをしていた
総二郎とは屋敷に入った後に、一度別々に別れている
つくし「こおおおんな美味しいご飯を出してくれる人に悪い人はいない…いただきます!!」
手を前に合わせパンと慣らし、つくしは美味しそうにご飯を食べ始めた
見張りの者「お、おなごとは思えない食べっぷり…」
つくしの食べっぷりに見張りの者は開いた口が塞がらない
だがつくしはそんなのも気にせず、ぺろりと食べてしまったのだ
つくし「ふう…ご馳走様!!!」
つくしはきれいに食べ終わったようだ
つくし「あの…」
見張りの者「なんだ」
食べ終わったかと思いきや、つくしはスススっと見張りの者に近づいてきて話しかける
見張りの者は先ほど逃げられた時を思い出し、警戒態勢にはいった
つくし「お、お手洗い」
見張りの者「??」
つくし「あーーーお手洗いじゃ通じないとこなのか…えっと…うんと…も、漏れそうっていうかあの…」
見張りの者「何を言ってるんだ?今日はもう寝ろ、扉は出れない様にするが明日の朝また必ず食事は持ってくるから安心しろ」
つくし「え!?ちょ!!!せ、せめてトイレだけでも!!!」
バタン
つくしの叫び声もむなしく、扉がいきおいよく閉められた
つくし「こ、困った…ろうそくのような灯篭?っていうんだっけ?のような灯りがあるけど…部屋にある窓はものすごい高い場所の横長の窓だけだし……部屋には何もないし…何も……」
ふとつくしは部屋から玄関にいく土間の床が土だということに気づく
つくし「………いやいやいやいやさすがにダメ、それはダメ」
そう、土ならば、お手洗い代わりに土を掘って埋めてしまえばいいのではないか…そんなことを思いついたが、つくしの理性がそれを許さない
つくし「だめ、思考を切り替えよう!!あっ窓から月が見える!!綺麗だなあ……三日月?かな…」
窓の月を見ながら、つくしはその場に寝ころんだ
つくし「一応これ、布団かな?」
寝ころんでやっと頭上にたたまれた布団に気づくつくし
つくし「狭い部屋なのに今まで気づかなかった!」
それは灯りの暗さのせいもあるのだろう、つくしは布団をいそいそと敷きはじめて布団へと寝た
つくし「あっお日様に干した香りする」
布団はその場に積まれていたわりには、とても良いお日様の香りがした
つくし「月……そういえば…かぐや姫とか言ってたな。かぐや姫って恐らく”あの”かぐや姫のことだよね?月に帰るお姫様の…」
ここまでつぶやいたとき、つくしの部屋の扉がいきおいよく開いた
つくし「なななななに?誰?!!!」
布団をひっぱりながら部屋の隅へと逃げるつくし
入ってきたのは西門総二郎だった
西門「……今の話を詳しく聞かせろ。お主はやはり、かぐや姫の素性を知る者なのか?」
つくし「え?えええ??」
そう……………つくしは言ってはいけない言葉をつぶやいてしまったのかもしれない
今日も短めで申し訳ありませんん!
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